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石屋製菓・石水社長講演【3月例会】

3月20日、京王プラザホテル札幌にて、光星経済人会3月例会が開催されました。
今回は石屋製菓㈱社長の石水創氏をお招きし、「白い恋人、奇跡の復活物語」と題して、自社とご自身の歩みを語って頂きました。

講師略歴

石屋製菓㈱代表取締役社長 石水創(いしみずはじめ)氏
1982年3月20日生まれ。北海高校、東洋大学を経て2004年に石屋製菓入社。
2013年に代表取締役社長に就任。

講演要旨

当社は昭和22年に祖父が起こした。当初はサザエ食品の子会社で、茨戸ででんぷんを製造していたが、後に駄菓子製造に移行する。

父(現会長の勲氏)の代になって札幌オリンピックを契機に、「白い恋人」を製造販売して、駄菓子から高級菓子へと転換した。

「白い恋人」も当初はパッとしなかったが、父が千歳空港へ行って、全日空カウンターのお姉さんに「白い恋人を機内食にしてくれ」と直談判、そのお姉さんが話を繋いでくれて、白い恋人は全日空の機内食に採用され、大ヒットにつながった。

2006年に30周年記念パッケージの白い恋人を発売、売れ残った商品を通常パッケージとして再出荷したところ、消費期限の改ざんで内部告発があり、2007年8月15日、新聞の一面ですっぱ抜かれた。

父は責任を取って、翌日の記者会見で辞意を表明した。その記者会見の帰り、ラーメン店に入って父と二人でラーメンを食べた。私は食欲がなく食べられなかったが、父はモリモリと完食し、「心配するな。ウチは絶対蘇る」と言ってくれたのが忘れられない。

北洋銀行から島田常務が新社長として来てくれて、全従業員を集め「給料は心配しないでほしい。売上ゼロでも3年間は給料を払える内部留保がある」と言ってくれ、従業員が「安心・安全」と「コンプライアンス」というベクトルで一つになることができたと思う。

3ヶ月の販売停止の後、11月に販売再開にこぎつけたが、地元のお客さんが並んで買ってくれて、有難くて涙が出た。

その後もお陰様で順調に回復し、2016年には売上高が4期連続で過去最高を記録させて頂いた。

2017年には銀座に北海道外初の直営店「ISHIYA  GINZA」を出店、「白い恋人は道外不出」のブランドイメージは守りつつも、今後も新しい試みをしていきたい。

講演の様子